半ば仕方がない事と思いながら、しばらく放置していた課題が最近再燃しています。
それが、レバードラグ(LD)リールでドラグ値を高めた際のハンドルの巻き重り。
たぶん、LDリールでのキャスティングをやられている方なら、皆悩む事だと思うんですが本当に悩ましい所で、これが解決してくれるとだいぶ使い易くなるんですよね。
以前からいろいろ試しているんですが、一応頭の整理のために書いておきます。
なぜ巻き重りするのか
LDリールがなんで巻き重りするのかを考える。
まず、構造から見ていくと、LDリールはスプール側面にドラグワッシャー(以下画像16番)とドラグ版(29番)が付いていて、それをバネ(25番)によって分離している。
これにより、レバーがフリーの状態の時にはスプールが空転する。
レバーを入力した際は、スプールをハンドル側に引っ張るような力が働き、ドラグワッシャーとドラグ板が接する事でドライブギアから力が伝達されるようになり、ハンドルでスプールを回転させられるようになる。
ドライブシャフト自体は、リールの左右で固定されておりスプールの回転とは分離されている。
スプールは、ベアリングで支持されて回転している状態になっている。
ドラグ値を高めるとドライブシャフトで引きつけられて、スプールがドラグ板に強く押し付けられるわけだが、それ自体スプール左右とハンドル側のベアリングで支持されているので、ベアリングが正しく機能しているなら、そこまで巻き重りするようには思えない非常にシンプルな構造になっているように思う。
そのため、巻き重りする理由があるとすると、やはりベアリング辺りではなかろうかと思う。
特に気になっているのが、スプール回転軸上に設置されている4つのベアリング(パーミングカップ側に1個、ドラグ部に2個、ボディ側のピニオンギア支持部に1個)が、見た感じおそらくラジアルベアリングであること。
ラジアルベアリングは、回転軸に対して直角な方向の力を支持するベアリングで、通常のスタードラグ方式のベイトリールには基本的にこれが使われていると思うが、LDリールにおいてはドライブシャフトをハンドル側に引っ張ってドラグをかける構造になっているため、ベアリングの回転軸と同一方向に強い力が働いているはず。
もしそうであるなら、ある程度以上の負荷がかかった際にラジアルベアリングが回転不良を起こし、巻き重りしてしまうんじゃないかと考えている。
どうすべきか
そのため、単純に考えると適宜ラジアルベアリングから、ベアリング軸と同一方向の力を支持できるスラストベアリングに換装してあげれば良いように思う。
特に、スプールのパーミングカップ側のベアリングと、ピニオンギアを支持するベアリングが圧力を受けるのではないかと思うので、そこを換装してあげれば改善できるかもしれない。
ただ、スラストベアリングはあまり高速回転には向いていないようなので、スプール側のベアリングは、とりあえずそのままでも良いのかもしれない。
今すぐにでもスラストベアリングを取り寄せて結果を見てみたいのだけど、現状なかなか頃合いの部品が見つからないので、ちょっと手間がかかりそうです。
その辺は、おいおい検証して書いて行きたいと思います。
ちなみに
お気に入りのOkumaの青いLDなんですが、
ラインの巻取長が短いのと、ブレーキが付いていない事を除けば、驚くほど高スペックなんですよ(笑)
キャスト可能な範囲の最大のドラグ設定をすると、ストライクで9kg、フル14kgかけれます。
驚くべきは、それだけの高ドラグの設定をしてもほとんど巻き重りがしない事です。遠投をしないなら、さらにドラグ設定値を上げる事も可能です。(使い手が耐えられないので、そんなにはいらないが(笑))
ソルティガやキャタリナよりギア比が低い事を勘案しても、この巻きの軽さは驚異的でした。
このリール自体は、10年ほど前に廃盤になっているのですが、最近のOkumaのLDのカタログスペックを見ると独自設計のスラストベアリングが搭載されているらしいので、巻き重りしないのは同様の理由かもしれませんね。
中身を見た感じ、ラジアルっぽいベアリングに見えましたが、ラジアル/スラストベアリングの両方の性質を持った物もあるようなので、正直よくわかりませんでしたが、巻き重りを改善する参考になると良いなとは思います(笑)